韓国日記(その3)
2003年1月8日(第3日目)
朝早くから、エンジンの唸るような音で目が覚める。時計を見ると、まだ6時だ。当然、外は暗い。もう一寝入りしてから、駅へ向かう。昨日のルート案通り、8時12分発長項行きムグンファ号331列車の切符を購入する。10分くらいしか待ち時間がない。売店で時刻表がないか聞いてみるが、置いていないようだ。
改札が始まり、ホームへ出る。遅れていたソウル行きのムグンファ号が先に到着する。その後、長項行きのムグンファ号が到着する。ここから、長項まで2時間ほどかかる。発車して15分ほどで、道高温泉駅に停車する。温泉街は駅から遠いのか、それらしい風景は見えない。列車は田圃の中を走る。小さな街が現れ、駅がある。小さな駅にもこまめに停車していく。車窓から見える田圃は、雪で真っ白だ。川も凍っている。南に向かっているのに、雪が多くなってきている。
10時30分頃、長項駅に到着する。温陽より、雪が多い。ホームも半分凍っている。駅の売店で時刻表を手に入れる。ここから、白馬江を渡って、群山に出れば、接続の列車に乗れそうだ。市外バスも出ている。表通りに向かって歩き始める。道路の雪が所々凍っていて滑る。表通りも真っ白だ。バスターミナルはどこにあるのか、さっぱりわからない。時々バスが通るが、それらしい行き先は見えない。タクシーも見かけない。一般ドライバーが、滑りながら走っていく。チェーンも着けずに夏タイヤでいるようだ。15キロ先の群山へ、こんな道を走るのか。途中には大きな橋もある。事故に巻き込まれたら、つまらない。天安に引き返す事にする。
11時40分発のムグンファ号344列車で天安へ戻る。お昼になるが、この列車には食堂車がない。駅周辺で昼飯を食べ損ねたので、車内販売に期待する。車内販売のおじさんに、弁当はないか訪ねる。「ヘンボゴ」(ハンバーガー)との返事。昔は、弁当やキムパを売っていたのに、今ではハンバーガー?時代は変わったもんだ。駅で買ったお菓子でとりあえず済ませる。天安に着いたら、何か食べよう。
天安でお昼ご飯を済ませて、駅に戻る。今度は大田まで、ムグンファ号285列車の切符を買う。大田までは50分足らずで着いてしまう。改札口脇に大きな張り紙がある。「列車遅延のお知らせ」と題して、京釜高速鉄道の工事で列車に遅れが出る旨のお知らせが出ている。これによると、第一段階としてソウル〜大田間が2003年12月開通予定、釜山までは2004年4月開通予定となっている。また、湖南線の電鉄化工事として、木浦まで2004年4月開通予定となっている。来年が楽しみだ。ムグンファ号は立ち席が出るほど混雑している。大田駅前は、今も地下鉄工事の真っ最中だ。地下道で通りの反対側へ渡り、儒城行きのバスを待つ。115番のバスが来た。経由地に儒城の文字が見える。「乗っちゃえ」運賃を払って、運転手の後ろの席に座る。駅前の大通りを西へ向かって走り出したと思ったら、右へ曲がる。全然知らない所を走っている。いつの間にかお客が殆ど入れ替わっている。1時間近くになるが、一向に儒城温泉に着く気配がない。心配になって、運転手に尋ねると、もう少しで着くとのこと。とりあえず乗ったのが、失敗だった。20分ほどで着ける所を、1時間20分もかかり、外も暗くなってしまった。
バスを降りて、いつもの旅館へ行く。玄関を入り、2階への階段と思う内に、沐浴湯の切符売り場だ。あれっと思っていると、切符売りのおばちゃんが、宿泊はやってないという。そうか、それでフロントがあった2階への階段が塞いであったのか。泊まれないでは、仕方がない。新規開拓をしなくては。通りを渡って、リヴェラホテルの裏手の方へ行く。「儒城パーク」という旅館が見える。1,2階が沐浴湯になっている。部屋に案内される。前に泊まっていた旅館より、綺麗だ。ここに決めた。1泊分25000ウォンを払って、落ち着く。部屋のタオルと洗面器、自分のシャンプーなどを持って2階の男湯へ直行する。1階でチケットを買っていないので、入り口でとがめられる。が、「この旅館の宿泊客は無料でしょ?」と言う。無料でいいらしい。やっぱりね。風呂のお湯がかなり熱い。ヨルタン(熱湯)43度と表示してある。お風呂で真っ赤になり、サウナで汗が噴き出す。
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