英国日記
1999年9月12日(第1日目)
朝7時前に家を出て名古屋空港に向かう。初めてのヨーロッパ、長時間のフライトと時差、期待と不安が混ざり合う。言葉は英語が通じるから何とかなるだろう。
チェックインを済ませ、出発ロビーへ出る。免税店でたばこを買う。ラウンジへ行き、出発までの時間をつぶす。フリードリンクを飲みながら、新聞に目を通す。
搭乗が始まる。エコノミークラスの乗客を後目に一足先に機内へ。ウエルカムドリンクが配られる。離陸後、すぐに機内食も配られる。2時間弱のフライトでソウルに到着。いつもなら到着ロビーへ行くのだが、今日は出発ロビーへ入る。ここでも時間つぶしにラウンジへ行く。
再び搭乗が始まる。12時間も我慢できるのか不安になる。離陸後しばらくして機内食が配られる。長距離路線だけあってかなり豪華な食事だ。食前酒、オードブルに始まり、メインディッシュと進む。器もエコノミークラスと違って、陶器のお皿になっている。機内食とはいえ、ちょっと(かなり?)贅沢な気分。食後のフルーツも何種類かの中から、希望のものを切ってくれる。窓の外を見ると茶色の大地が広がる。モンゴルの上空のようだ。食事が終わると、窓のブラインドを降ろし、照明も落とされる。映画を見ながらうとうとする。映画とうたた寝を繰り返すうちに、ウラル山脈を越えてロシアの上空を飛んでいる。2回目の食事が配られる。バルト海を越えてスカンジナビア半島の南端を通過、北海へ出る。間もなくロンドンに到着だ。
高度が下がり、ロンドンが見える。テムズ川も見える。ヒースロー(Heathrow)空港に着陸する。隣の滑走路からコンコルドが離陸していく。
名古屋と関空と金浦と啓徳空港くらいしか知らない私にとって、ヒースロー空港はむちゃくちゃ広い。これが本当の国際空港なんだなと思いながら、ひたすら歩く。荷物を受け取り、入国審査場へ。厳しいとガイドブックには出ていたが、滞在日数を聞かれただけで入国審査は終わる。意外にあっけない。念のため、ミッドランド航空のカウンターの場所を確認してから両替をして、地下鉄の駅に向かう。またひたすら歩く。案内は出ているが、下向き矢印なんて出てきて迷う。下向き矢印は戻るのではなく、下の階という意味らしい。
なんとか地下鉄の駅にたどりついた。切符を買い、ホームへ出る。狭い、名古屋の地下鉄も小さく出来ているが、ここはもっと小さい。Tubeの通称も納得がいく。狭いがヴィクトリア朝みたいな造りで趣がある。しばらく待って電車が来る。これもトンネル断面を小さくするためか、かまぼこ型の車両になっている。待っていた乗客が乗り込み、車内はたちまち満員になる。窓際に立つと頭が壁(天井?)に触れる。しばらく地下を走り、地上に出る。午後5時、外はまだ明るい。けれど非常に眠たい。今朝6時に起きたのでもう19時間も経っている。体内時計はすでに夜中だ。1時間ほど乗って、ラッセルスクエア駅で降りる。もう薄暗くなっている。ホテルに向かって歩くが、ホテルが見つからない。もう一度地図を出して確かめる。通りを一つ間違えていたようだ。ようやくホテルに到着する。チェックインを済ませて部屋に入る。なんとかロンドンまで来た。当たり前だが大陸の反対側は遠い。一息つくとなんだか腹が減ってきた。機内食を3回も食べたのに、何か食べたい。きちんとした食事に出かけるのもおっくうなので、(とにかく眠い!)近所でサンドイッチと飲み物を買う。サンドイッチふたつとコーラ2本とチョコレートで7ポンド3ペンス。1ポンド190円なので約1300円、かなり物価は高い。ホテルに戻って簡単な夕食を食べて寝る。長い一日だった。
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