韓国日記(その4)

2004年5月21日(第6日目)

朝から霧雨が降っている。部屋の鍵を返してバスターミナルへ向かう。釜山までのチケット(21200ウォン)を求める。売店を覗いてみるが、飲み物とお菓子やおつまみばかりで昼食になるようなものは置いていない。昼食は途中で調達することにして、ミネラルウォーターだけ買い求める。乗り場へ出てみると4〜5人バスを待つ人たちがいる。この人たちもソウル行きのバスに乗って行ってしまい、ひとり取り残されてしまった。しばらく待っていると釜山行きのバスが来た。忠州から来たらしく、何人か先客が乗っている。他には乗る人がいないので、すぐに発車する。

バスは国道3号線を快調に走る。小白山脈を越えて慶尚北道にはいる。山間の小さな集落に聞慶温泉と案内が出ているのが見える。何もなさそうな所だが機会があればここも来てみようと思う。1時間以上走って尚州のバスターミナルに到着する。運転手がバスを降りてたばこに火をつける。暫く停車するようなので、今のうちに昼食を買ってこよう。売店にキムパ(1500ウォン)が出ているので、1本(1人前?)買って急いでバスに戻る。斜め後の席に座っていた老夫婦が戻ってきて、運転席で何かごそごそしている。飲み物を運転席に置いて行ったようだ。運転手へのお礼ということらしい。当たり前のようにバスに乗っているが、運転手がいなければバスは動かない。こういうところが韓国だなぁと思う。「東方礼節の国」を垣間見たような気がする。

亀尾のバスターミナルを発車すると高速道路に入る。拡幅工事で路面が荒れていて、時々バスが揺れる。昼が近づいてきたので、お腹が空いてきた。尚州で買ったキムパを食べるが、1本ではちょっと物足りない。2本買っておけば良かったと後悔しても釜山まで停車しないので何も食べるものはない。いつの間にか眠ってしまったようだ。知らないうちに慶州も通過して釜山市内を走っている。2時少し前、釜山バスターミナルに到着する。所要時間は約4時間30分だ。地下鉄に乗って、東莱温泉に向かう。今日はホテル農心の裏手にある泉一温泉ホテルに泊まってみる。1泊4万ウォンで通された部屋は12畳くらいあるだろうか。一人で泊まるには勿体ないくらい広い。オンドル部屋なので余計に広く感じられる。バスルームも驚きの広さだ。

頼まれものを調達に温泉市場に出掛ける。海苔やお茶などデパートやコンビニよりも安い値段で売っている。温泉市場の2階へ上がってみるがどうも男が一人で行くような所ではなさそうだ。店のおばちゃん達も「男が来るところではない」という顔をしている。居心地が悪いので、2階は早々に退散して近くのクッパ屋へ行く。テジクッパを食べてホテルに戻る。荷物を整理して、帰国の準備をする。いつもの事ながら、一週間なんてあっという間に過ぎてしまう。

夕方、ちょっとお腹が空いてきた。何か麺類でも食べようと思って近くの麺類食堂へ行く。メニューを見ると、冷麺やジャージャー麺などのほかに「ビビンカルクッス」を発見。どんなものかだいたい見当はつくが、食べてみようと思う。運ばれてきた料理は予想通りで、食べてみるとコチュジャンで和えたうどんだ。



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2005-9-15 作成
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