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中国日記(その2)

2006年9月20日(第3日目)

昨日板門店へ行ってしまったので、今日は特にすることがない。朝ゆっくり過ごしてから、映画「アンニョンUFO」(邦題Oh!マイDJ)の舞台となった旧把撥へ行ってみようと思う。映画の中でイ・ウンジュ扮するキョンウがリクエストの手紙に書いた住所も控えてきてある。地番までは実在するかどうか判らないが、少なくとも旧把撥という地名は地下鉄の駅にもあるくらいだから、行けば何かあるかも知れない。そんないい加減な考えで出かける。忠武路駅で地下鉄3号線に乗って旧把撥へ。表通りから坂道を上っていくと旧把撥の集落はあった。映画に出てくる電気屋のあった辺りがそれらしい雰囲気を残しているが、街に全く人気がない。街が完全に死んでいる。再開発事業で立ち退きが進んでいるのか、明らかに廃屋となっている住宅もある。何年か後には、この坂道と緑の多い旧把撥の街が消えて、無機的な高層アパートが立ち並ぶ街へと変わっているのだろう。あの映画に出てくる坂道だらけの街はもうないのだ。来なければ良かったと後悔しつつ、旧把撥を後にする。

ヨンシンネのバスターミナルも近くにあるはずだが、市内バスの路線番号はすっかり変わってしまっているし、映画の面影はもうないかも知れないので、これ以上探すことはやめて帰る。こんなソウルの一番はずれの街まで、再開発の波が押し寄せているとは意外だった。それだけソウルの住宅事情は深刻ということなんだろう。ソウル市の人口は約1千万人、大韓民国の人口は約5千万人と言われている。仁川を始めとする周辺都市まで含めたら首都圏人口は総人口の4分の1では済まないだろう。東京への一極集中が叫ばれる我が国においても、首都圏人口は3千万人もいるとは思えない。何年か後にはソウルは香港のようになっているかも知れない。帰りは地下鉄6号線に乗ってちょっと遠回りをして旅館へ帰る。夕食は久しぶりに焼肉でも食べようと思い、近所の焼肉屋でセンドゥンシムを食べる。2人前の焼肉とご飯で21000ウォンだった。




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2009-4-16 作成
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