中国日記(その2)
2006年9月21日(第4日目)
朝6時に起床して、出発の準備をする。昨夜買っておいたキムパで朝食を済ませる。荷物を持って世宗ホテルへ。朝早くから30分間隔で空港バスがあるのは嬉しい。10分も待たないうちに空港行きのバスが来る。ソウル市内で4ヶ所ほど停車するとあとは高速道路で一路空港へ。1時間くらいはかかると予想していたが、40分くらいで着いてしまった。大韓航空のチェックインカウンターは既に長蛇の列ができている。この時間帯は仁川でもアジア近距離便の出発ラッシュなんだろうか、チェックインするだけなのに30分以上もかかってしまった。さらに追い討ちをかけるかのように保安検査が厳しくて、靴は脱がされ、ズボンのベルトまで外さなくてはならない。出国審査が終わった時には既に1時間以上経過していた。
定刻通り北京に向けて出発した。中国便だから当然熱々の機内食が出る。食べ終わって入国書類を書いているうちに、北京首都国際空港に到着する。オリンピックの開催に向けて、新ターミナルを建設中だ。しかし既存のターミナルは首都空港としては入国審査場は狭く、あっという間に人で一杯になる。査証が免除になった為か、審査に余計に時間がかかっているようにも感じられる。待っても待っても列が短くなっていかない。特に外国人の列は遅い。
荷物をピックアップして外に出ると、市内行きのバス乗り場はすぐに見つかった。中国13億人の玄関口としては小さな空港だ。(だから新ターミナルを建設中なのだろう) 市内へのバス路線は4つあるが、案内図を見ても兆龍飯店はついていない。チケット(16元)を買うついでに「兆龍飯店?」と聞いてみる。「いーしぇん」(一線)と返事が返ってくる。そうか、1番のバスに乗ればいいのか。バスに乗る時にも運転手に兆龍飯店と言っておく。市内へは高速道路を走る。片側3車線道路のその外側に一般道らしき道路が通っている。広い国は道路の取り方も違う。道路に信号機があるようになってきた。北京市内に入ったみたいだ。しばらく走ってバスが停車した。運転手がここで降りろという仕草をして、前方を指さす。かなり先に見えるのが兆龍飯店なのか。降りたところは何もないところで、およそ空港バスが停まるような所ではない。ホテルまで20分以上歩いただろうか。とにかく道路が広くて見通しが良いので、見えているのに一向に近くならない。ホテルまでたどり着いてドアマンに「ユースホステルは?」と尋ねると、このホテルの建物の後ろにあると言う。ホテルの裏へ回ってみると、従業員宿舎のような建物がユースホステルだった。予約はして貰ってあるので4泊分、200元を払って寝室へ案内して貰う。部屋は二段ベッド3台の6人部屋で、特別いい部屋ではないけれど悪くもない。ごく普通で、小ぎれいな部屋だ。一泊50元だし、寝るだけだから全く不満はない。
荷物を置いて昼食がてら付近の探索に出かける。ユースの周りはデパートもあるがアパートもあるという繁華街でもなければ、閑静な住宅街でもなく、食堂や商店もないわけではないが、多くはないという中途半端なエリアのようだ。あちこちで大規模なビルの建設工事をしている。昼食時はとっくに過ぎているので、どの食堂も閑散としている。その中でも高くはなさそうな店に入って、メニューを見て注文する。牛肉炒飯(←これは読めた 7元)が運ばれてくる。ボリュームたっぷりの炒飯で、日本なら大盛以上だ。しかし味の方は、これが北京の味付けなのか、たいしたことはなかった。昔マカオで食べた炒飯はとてもおいしかったが。
夕方、仕事を終えたSさんがユースを訪ねてくる。タクシーで北京で一番の繁華街、王府井へ行く。天安門へ続く大通りは夕方の退勤ラッシュなのか、ひどく渋滞している。通りの入り口に老舗ホテルの北京飯店が鎮座している。その反対側は巨大ショッピングセンターだ。広い通りは多くの人であふれている。ショッピングセンターの中のフードコートで夕食を食べる。雲南料理の「竹筒飯」を食べてみる。半分に割った竹でご飯を炊いて、その上におかずが載っている。これもボリュームがあって到底食べきれない。夕食を済ませて、王府井をぶらぶら歩く。路地の中で京劇みたいなことをやっている。このあと近くなので故宮へ回っていく。故宮博物院は既に閉門しているが、前庭から天安門へは自由に通れる。天安門がライトアップされて、それを見に来る人たちでごった返している。何にしても人口が多いところだ。テレビなどで既にお馴染みの天安門だが、改めて見ると中央にかかる毛沢東の肖像画は巨大だ。
タクシーでユースに帰る。Sさんと別れて部屋に戻ると、今夜の同室者は日本人が2人と中国人が2人の合わせて4人。もう一人の日本人、S君が万里の長城へ行ってみたいと言う。私たちも明日行く予定なので、S君も誘って一緒に行くことになった。
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2009-4-16 作成
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