韓国日記(その2)

2000年9月11日(第1日目)

本文中、韓国での支払いは特にことわりがない限りウォンです。1000ウォン=100円と考えてください。
運賃などは旅行当時のものです。変更になっている事があるかもしれません。また、記憶違いによる間違いはご容赦ください。

朝から雨が降っている。(まさかこの雨が東海豪雨になろうとは。)昼少し前、名古屋空港に向かう。今回利用するのはKE754便(釜山行き)だ。帰りは17日のKE753便、ちょうど1週間の旅行になる。旅程は未定、とりあえず土曜日までには釜山に戻っている必要がある。しかし今日から3日間は秋夕で祝日になる。既に秋の連休だ。交通機関は? 宿は? 食事は? 少し不安を抱きながらも、「何とかなるさ」と片づける。

空港はすいている。もう少し遅く家を出てもよかったかなと思う。手続も順調に進む。免税店でタバコを買い、もう何もする事がないので、窓の外を眺める。見慣れぬ飛行機が離陸していく。よく見るとAIR KORYO(高麗航空)と見える。平壌へ帰るのだろう。まだまだ近くて遠い国だ。待つことおよそ1時間、搭乗がはじまる。離陸後しばらくして機内食が配られる。いつもの簡単なランチだ。1時間ちょっとのフライトのため少しあわただしい。予定通りのフライトで、午後4時前には金海国際空港に到着する。入国審査も通過し、ターンテーブルへ。トイレに行きたくなり、警備員に「ファジャンシルン オディ イッソヨ?」(トイレはどこにありますか?)と尋ねる。答えが日本語で返ってくる。銀行で5万円を両替する。511620ウォンになる。急に金持ちになる。前回の遣い残りがあるので、今回はこれだけの予定。

これから釜山市内へ行かなければならない。宿は東莱温泉の予定(これだけは決めていた)なので、海雲台行きのバスを待つ。待つことおよそ20分、ようやく来たバスに乗る。バス代、1200ウォンを払い乗車口のすぐ前の席に着く。走り出してすぐ洛東江に突き当たり左折する。バスは江西区庁、亀浦駅をまわり東莱駅で下車する。温泉街へはここから地下鉄で2駅あるが、歩いて行けない距離ではないので歩くことにする。釜山の地形を思い浮かべながら歩き始める。秋夕だというのに、人が多い。食堂も開いている。朝の不安が吹き飛ぶ。

温泉街に着いた。小綺麗な旅館を見つけて部屋はあるか尋ねる。2泊したいと言うと、4万ウォンの返事。部屋も綺麗だし、ここに決める。荷物を部屋に置き、身軽になって夕食がてら出かける。虚心庁まで行ってみる。市場があり賑わっている。秋夕のための菓子なのか日頃見かけない菓子を売っている。店先でウナギの皮をむいているアジュマがいる。いいにおいに惹かれていくと店先でなにやら焼いている。温泉街をぐるぐる回って腹も減ってきたので、夕食にする。また温泉街を一通り回って旅館の前の食堂に入る。サムギョッサル(2人前8000ウォン)とご飯(1000ウォン)を頼む。さすがに豚肉だけあって、カルビの半額以下の値段だ。一人わびしく、そしてたらふく食べて店を出ようとすると、前のテーブルで食べていたアジョシが声をかけてきた。よく判らないので「日本人だ」と言うと、どうやらこのアジョシはキョッポ(僑胞)らしい。この店の親戚かも知れない。話が通じないので、いまいち盛り上がらない。話が途切れた所で、「アンニョンヒ ゲシプシオ」と言って店を出る。コンビニへ寄って飲み物と新聞を買って旅館へ戻る。

早速買ってきた新聞を広げる。よく見ると10日の新聞だ。今日は祝日だから休刊日なのか。紙面も20ページと普段よりかなり少ない。もう帰省ラッシュが始まっているらしく、混雑したバスターミナルや渋滞した高速道路の写真が出ている。毛皮のセール広告も出ている。革のベストが9万ウォン、革ジャンは13万ウォンだ。毛皮のコートも19万ウォンから高い物でも185万ウォン。数字は大きいが、2万円から19万円。日本では毛皮のコートはいくらするのだろう。

寝る前にシャワーを浴びる。お湯にかすかな温泉の匂いがする。(ような気がする) さっぱりしたところで布団に入る。寝具は薄い敷布団1枚と、上掛けが1枚あるのみ。ポケットラジオをBGM代わりに床につく。



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