韓国日記(その2)

2000年9月12日(第2日目)

朝、目が覚める。雨が降りそうな曇り空だ。どこに行くという予定はないが、市外バスターミナルへ向かう。途中、韓服の子供を見かける。普段は日本の子供と変わらないが、韓服がよく似合う。さすが韓国の子供だと、当たり前のことに感心する。バスターミナルは、秋夕の中日のためかたいして混雑はしていない。まずは朝食、軽食カウンターへ行く。カルククス(2700ウォン)で軽く済ませる。

次はチケット売り場へ。帰りは鉄道を利用することにして、大邱へ行くことに決める。方面別に並んだチケット売り場から「大邱」の文字を探す。窓口を見つけ、大邱までのチケットを購入する。所要時間2時間で6500ウォン。発車まで時間があるが、乗り場へ行き、一服する。

しばらく地下鉄沿いに走り、京釜高速道路に入る。順調に走る、と思ったのも束の間、渋滞につかまる。バスは右に左に車線を替えながら進む。家族を乗せた乗用車が殆どだ。今から里帰りか、自宅へ帰るのか。色鮮やかなチマチョゴリを着てハンドルを握るオモニも見える。その向こうには、墓参りの人達も見える。皆韓服を着ている。慶州インターが見えてきた。仏国寺の山門をかたどったのだろうか、立派な料金所だ。屋根の上にも「新羅千年古都慶州」と見える。バスはかまわず通過する。のろのろ走るバスの中、しばしまどろむ。高速道路を降りて大邱市内に入る。大きな駅が見えた。見覚えのある駅だ。しかしバスは東大邱駅には寄らず、まだ走る。運転手がいらついた声を上げる。「大邱で降りるお客さんはいるか?」(たぶん) もう3時間も経っている。降りる客がいなかったらターミナルへ寄らないつもりなのか。すぐさま車内から声があがる。大邱で降りるのは私だけではないようだ。午後1時過ぎ、やっと大邱北部ターミナルに到着。西部ターミナルに比べるとかなり小さい。ターミナルの中を通り、市内バスの停留所へ行く。色々な行き先の中から「東大邱駅」とあるのを発見、このバスでとりあえず大邱市内へ行こうと思う。その前に昼食をとる。3軒くらい開いている食堂があったので、その内の1軒に入る。コムタン(5000ウォン)を頼む。待つほどもなくコムタンが運ばれてくる。スープにごはんを入れて、少し塩も入れる。

昼食を済ませ、バス停に戻る。何台もバスは来るが、経由地に「東大邱駅」の文字はない。30分も待っただろうか、経由地に「東大邱駅」を発見、バスに乗り込む。座席バスではないらしく運賃は600ウォン、しかしバスは新しい。少し得をした気分。大邱市内のどこをどのように走ったかわからないまま、東大邱駅に到着。時間は既に午後3時を過ぎているし、駅は大混雑している。大邱の観光はあきらめて釜山に戻ることにする。切符売り場も長蛇の列、一番短い列に並ぶ。順番が回ってきた。釜山まで欲しいと言うと、立ち席でもいいかと聞かれる。1時間ほどの距離なので、了承する。ムグンファ号第9223列車、東大邱15時33分発、釜山16時56分着、立ち席のオンライン券を受け取る。立ち席のためか4700ウォンでバスより安い。改札口にも行列が出来ているが、売店で時刻表(3000ウォン)を買う。さらに「新羅名家」で菓子パンを3個(1900ウォン)買い込む。

10分前、改札が開きホームへ降りる。自由席などないので、適当な所で列車を待つ。通路もデッキも一杯だ。中へ入るのは諦め、デッキで立って行くことにする。

宿に戻り一息つき、夕食に出かける。温泉街をぶらぶら歩きながら、何を食べようか思案する。ウナギに食欲をそそられながらも、「コプチャンジョンゴル」に目が止まる。迷わず店に入り、ご飯も一緒に注文する。店の主人が全てやってくれるので、焼けたら食べるだけ。ハシでつつく。主人の目が「まだまだ」と言っている。主人がOKのサイン(?)を出す。一切れ食べてみる。「旨いっ!」唐辛子が程良く効いて、濃厚なのにくどくない絶妙の味。タレをご飯につけて食べる。これもまた旨い。これで7000ウォン! 旨い割には安い。でも肉から言えば当然かも。



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