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韓国日記(その5)

2005年8月18日(第7日目)

春川行き無窮花号今日は春川へ行ってみようと思っている。「冬ソナ」は全く興味がないけれど京春線に乗って、本場のタッカルビを食べてこようと思う。まずは地下鉄に乗って清凉里駅へ向かう。昨日「交通カード」を買っておいたので、改札機にかざすだけで通過できる。国鉄の清凉里駅で春川までの切符を買う。ムグンファ号で所要時間は1時間50分、運賃は5200ウォンだ。
改札が始まり、ホームへ降りる。ソウル駅より小さいが、それでも終着駅の風格のある長く幅の広いホームが並んでいる。その長いホームの半分ほどを使ってこれから乗る春川行きのムグンファ号が停車している。清凉里を発車してしばらくは市街地を走るが、20分もすると畑と山ばかりになってくる。さらに行くとひたすら漢江を左に見ながら走る。ソウル市内を蕩々と流れる漢江とは違い、川幅も狭くいかにも源流へ向かっているという感じがする。
ソウルから2時間ほどで春川駅に到着する。駅構内は終着駅らしく結構広いが、駅前へ出てみると、江原道の道庁所在地の駅とは思えないほど駅舎は小さく、駅前も狭い。それでも駅前に観光案内所があるので、パンフレットを貰っておく。日本から持ってきたガイドブックによると、駅前から真っ直ぐ行けば春川の市街地に行けるような地図が書いてあるが、実際には延々と高い塀が続いており簡単には向こう側へ行けそうにない。案内所で貰ったパンフレットの地図には、何も書いてない空間が広がっている。市街地へは真っ直ぐ行けないなら、殺風景な塀に沿って行かずに、川沿いの遊歩道を行ってみようと思う。

衣岩湖駅前を左に行き、駅構内のはずれで線路を横断するとすぐ漢江のほとりに出る。このあたりはダム湖で衣岩湖(ウィアモ)と呼ぶらしい。中の島もあって大きな湖だ。湖岸は整備されて遊歩道と言うよりはサイクリングロードのようになっている。湖面を渡ってくる風が気持ちいい。遊歩道の入り口に携帯電話の基地局が立っている。職業柄、こういうものにすぐ目がいってしまうのだが、柵も何もしていない。いたずらされる心配はないのだろうかと、いらぬ心配をしてしまう。30分ほど歩くと貸しボート屋が見えてきた。平日のためかすれ違う人もなく、貸しボート屋もひっそりとしている。遊歩道もここまでで、国道を渡り、線路をくぐって市街地へ歩いていく。
商店が建ち並び、道行く人も車も多い。駅前が繁華街ではないのは江陵でもそうだったが、鉄道が公共交通の中心とは言い難い韓国ではごく普通のことなのかも知れない。目抜き通りを進んでいくと正面にひときわ目立つ建物が現れてきた。春川市庁のようだ。と言うことはこのあたりが春川の中心と言うことか。至る所にタッカルビ屋があるのかと思ってきたが、どこかにタッカルビ屋街でもあるのか、全く見あたらない。駅前にも2〜3軒あったから、駅に戻って食べよう。来た道を戻らずに、裏通りを通って駅へ戻る。裏通りを進んでいくと、タッカルビ屋は見つからないが、駅前の高い塀の正体が見えてきた。米軍基地だ。だから駅前で貰ったパンフレットには何も書いてない訳だし、ガイドブックも現地のパンフレットの丸写しで、現地調査などしていないからこういうことになるのだ。もともとガイドブックなんて信用していないが、やはり信用に足るものではないことが判明した。
延々と続く塀に沿って駅前に戻る。行って戻ってのコースなので、直線距離の3倍はあっただろう。帰りの列車の切符を買ってから、駅近くの食堂でタッカルビを食べる。本場の春川で食べるタッカルビは特段格別と言うほどではなかった。

帰りの列車は殆ど意識不明状態ですごし、気がつけば清凉里まであとわずかだ。清凉里駅で電鉄線に乗り換えて、龍山まで行く。これで京春線(京元線も)完乗となる。旅館へ帰るにはまだ早いので、天安方面の電車に乗って4号線の烏耳島駅まで行く。途中に「新吉温泉」なんて駅があるけれど、果たして温泉があるのだろうか。終点の烏耳島駅の外へ出てみると、新興住宅地で新しいアパートが建ち並ぶだけで、他には何もないところだ。小腹が空いてきたので、駅前の店でラーメンを食べる。出てきたのは韓国定番の「辛ラーメン」、2000ウォンだった。
再び地下鉄に乗って旅館へ戻る。明洞駅を出たところに「キムパ天国」ができているので、ここでオムライスの夕食。



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2009-1-13 作成
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