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中国日記(その1)

2001年9月9日(第2日目)

朝7時に旅館を出て、仁川国際空港に向かう。歩いてバス停に向かう。待つほどもなくバスが来て乗り込む。今日は残りの3分の2でやっと延吉に到着できる。途中から大韓航空の客室乗務員が制服姿で乗ってくる。昨日と同じ道路を逆に走り、高速道路に入る。昨日は気が付かなかったが、高速道路に沿って幅10mくらいに用地が確保されている。鉄道用地だろうか。現在はこの高速道路でしか空港へ行けないが、鉄道の予定はある。空港のある島へ渡る橋も、橋脚の中央が空いている。

空港に到着し、チェックインを済ませて、3階のレストラン街へ。韓、和、洋食などいくつものレストランが並ぶ。韓国料理のレストランに入る。軽く冷麺でいいと思ったが、冷麺は昼のメニューで、今は朝のメニューだと言う。それではと、鱈のスープを注文する。ゆっくり朝食を済ませて、2階に降りる。出国審査場の入口で空港利用料のチケットを求められるが、私たちは乗り継ぎなので持っていない。(乗り継ぎ客は免除になる。大韓航空に確認済み。)乗り継ぎだから持っていないと言うと、大韓航空で証明書を発行して貰うようにと言われる。再び大韓航空のチェックインカウンターに戻り、列に並ぶ。10人以上は並んでいる。係員が来て、搭乗券を見せろと言う。搭乗まで時間がないと判断されたのか、空き窓口ですぐに発行して貰えた。1人に1枚ずつ、手書きの発行で、あまり合理的ではないが、これがなければ1万ウォン払わねばならない。出国審査も無事通過して、出国ロビーへ。ロビーも金浦空港の時よりも広く、免税店も多い。待つほどもなく搭乗が始まる。離陸後しばらくして機内食が配られるが、今度はご飯とおかずが熱い。中国人は冷えたご飯を好まないからだと言う。確かに以前乗った中華航空でも熱いご飯だった。(日本でも冷や飯食いなんていいイメージではないけど)Sさんが機内食に付いていたコチュジャン(唐辛子味噌)をご飯にかける。私のご飯にもかける。少し辛いが、コチュジャンをつけた方がおいしくなる。中国の入国カードが配られる。書いているうちに、既に大連の上空を飛んでいる。機内で貰った新聞を読んでいるうちに、瀋陽桃仙国際空港に到着する。時差が1時間あるので、まだ午前11時前だ。桃仙なんて中国らしいネーミングだけど、Sさん曰く、桃は長寿のシンボルで、仙は仙人だからすごく縁起のいい名前らしい。新しいターミナルビルを建設中で、私たちの飛行機は古いターミナルへ向かう。ターミナルの屋上には達筆で「瀋陽」と書かれている。国際空港といっても中は狭く、入国審査場はたちまち一杯になる。初めて空路での中国だ。入国審査も無事終わり、荷物をピックアップして、国内線カウンターへ行く。が、国内線の出発までまだ4時間近くある。瀋陽市内まで行くには余裕がないので、空港内で時間をつぶす。まずは銀行へ行く。中国銀行の小さなブースがあり、ここで5万円両替する。5万円が3,327元になる。ということは1元=15円くらいか。毛沢東の赤い100元札が33枚もあるので1枚差し出して10元札に換えて貰う。真新しい青い毛沢東の10元札だ。人民元も手に入れたし、荷物を預けて身軽になる。

2階へ上がると売店がある。その脇に空港利用料のチケット売り場もある。ついでだからチケットを購入する。航空券を見せてチケットを購入すると、1人10元だと言う。国内線は50元のはずだがと思っていると、私たちの乗る飛行機は小さいので、10元でいいらしい。3階に目を向けると、レストランや喫茶店が見える。時間はたっぷりあるから、お茶でも飲もうと喫茶店に入る。窓際の席は一杯で奥の方に座る。私は牛乳を注文し、Sさんは雪碧を注文する。プラスチックのボトルに入った温かい牛乳と、缶入りの雪碧が運ばれてくる。雪碧ってどんな飲み物かと思ったら、スプライトのことだった。窓の外は滑走路が見えるのだが、窓際の席は一杯で、子供だけでなく大人まで窓に登って外を見ている。現代中国において、そんなに飛行機が珍しいとは思えない。そりゃ私だって飛行機を見るのは好きだが、(乗るのも好きだ)窓に登ってまでは見ない。不思議な光景である。しかし、青い飛行機(私たちが乗ってきた飛行機)が離陸していくと、私たちだけになった。食い散らかした跡だけ残して。

CJ6653搭乗券 牛乳とスプライトで時間をつぶした私たちは、1階へ降りて預けてあった荷物を貰って、搭乗手続に向かう。チェックインを済ませ、再び2階へ上がり、待合室へ。北京行きを始め、各地に向けてフライトがある。しばらく待っていると、中国北方航空CJ6653便延吉行きの搭乗が始まる。バスに乗り、飛行機まで行く。機材はやはり純国産(中国製)のY7だ。丸窓の古くさい飛行機で、搭乗口が機体の後部についている。機内は狭く、シートピッチも狭いので、なんだかバスに乗っているような感じがする。離陸してもうるさい飛行機で、バスの方がよっぽど静かだと思う。狭い座席で二人とも居眠りをしながら、1時間ちょっとのフライトで延吉に到着。ここもターミナルの屋上に大きく「延吉」、ハングルで「ヨンギル」と掲げられている。ターミナルまで歩き、荷物が出てくるのを待つ。荷物をピックアップして外に出ると、Sさんのお母さんとお兄さんが迎えに来ている。タクシーに乗って、お兄さんの家に向かう。荷物を下ろして、お土産を手渡す。子供が見慣れない人がいるのではしゃいでいる。

お兄さんの家で少し休憩する。Sさんも自分の家に帰って来たのでリラックスしているように見える。簡単に自己紹介をする。お兄さんは小学校の先生をしているそうだ。夕食の準備が出来たらしく、両親の家へ行く。(と言っても同じマンションの別の部屋だけど)もう既に多くの人達が集まっている。お膳が出され、お父さんが一番奥に座り、隣へ座れと言う。その隣に、お兄さんと奥さん、さらにSさんとお母さんの姉妹と隣のおばさん。もう一つのお膳にお母さんと、お母さんの姉妹のお嫁さんとその子供達。そしてお膳の上にはたくさんのご馳走 。まずは乾杯だけど、私はお酒が飲めないので、一口だけで勘弁して貰う。(中国式の乾杯は文字通りの乾杯で、杯を空にしなければならない。)目の前にある豚足に箸をつける。ゼラチン質で意外と言っては失礼だが、おいしい。他にも唐辛子を使った料理や、使わない料理も並んでいる。色々食べてみるが、どれもおいしい。「辛い料理は平気か」と聞かれる。「日本人は辛い料理は食べないと思っていた。」と言われる。私は比較的平気なんだけど。そして「朝鮮語はどこで覚えたのか」と聞かれる。独学なので、未だに下手くそだけど、最初に朝鮮語で挨拶したので、みんなびっくりしたのかしら。

明日は長白山へ行くので、早めにお開きになる。工事で水道が出ないということで、お兄さんがサウナへ行こうと言う。マンションの前でタクシーを拾い、サウナへ。タクシーといっても5元くらいで乗れるのでよく利用しているようだ。お湯に浸かり、サウナで汗を流す。その後、垢擦りをして貰う。ちょっと痛いが、とても気持ちいい。一皮むけて身軽になったような気がする。お兄さんの家に戻り、明日の準備をする。午前5時出発なので、3時起床となった。目覚ましをかけて早々と床につく。



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