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中国日記(その1)

2001年9月12日(第5日目)

中朝露国境 今日は中朝国境まで行く予定になっている。お兄さんの運転で、子どもと、Sさん、私の4人で出かける。市街地を抜けて高速道路に入る。道路はがらがらに空いている。車は順調に走る。箒を持って、道路掃除をしている。いくら通行車両が少ないといってもちょっと危険だ。図們まで(ここまでしか開通していない)高速道路を走り、あとは豆満江沿いを走る。川の向こう側は朝鮮だ。琿春市内も抜けてまだ走る。所々道路の良くないところもあるが、比較的良く整備されている。また時々料金所があって通行料を取られる。延吉から3時間くらい走っただろうか。圏河口岸に到着する。昨日買った地図を見ると、中国の一番東にある朝鮮国境だ。中国から朝鮮へは比較的簡単に行けるようだが、我々は見るだけだ。だいたい一次査証しか取って来なかったので、例え行けても、行ったらお終いだ。橋桁の色が真ん中辺りで違っている。中国側と朝鮮側の境界だそうだ。国境の橋を見てさらに東へ向かう。道路が行き止まりになっていて、展望台が建っている。中朝露の国境だ。展望台に上がると、遙か向こうに日本海が見える。距離にして10kmくらい。すぐ右手には豆満江、その右側は朝鮮。鉄橋が見える。ロシア側には駅らしき建物も見える。ここを通って金正日はモスクワへ行ったのだろうか。すぐ下を見れば、中露国境の有刺鉄線が通っている。土産物屋では、毛皮の帽子やルーブル硬貨など売っている。

今来た道路を引き返す。道路のすぐそばを簡単な有刺鉄線が通っている。簡単に越えられそうだが、これが中露国境なのだそうだ。すぐ向こう側はロシアということか。国境線のない日本に住んでいると、国境と聞くと感慨深いものがある。琿春市内の手前を右折して、中露国境へ向かう。途中に大きな保税倉庫が建っている。大型コンテナを積んだトラックも行き来している。中朝国境よりも活気がある。ここも見るだけで引き返す。途中で昼食にする。トウモロコシ粉で作ったラーメンを食べてみる。麺の色が少し黄色く見えるし、心なしか甘く感じる。

豆満江 少し休憩して、図們へ向かう。戦争で破壊された橋に立ち寄る。朝鮮戦争の時に破壊されたまま、無惨な姿をさらしている。川の中で釣りをする人の姿も見える。国境の川に入っても問題はないのだろうか。もっとも見ている我々も川の上にいるけれど。さらに進んで、図們の中朝国境に到着する。ここは市街地に近いせいか、土産物屋が並び観光地と化している。警備兵の表情も明るい。望遠鏡がおいてある(本当に置いてあるだけ)ので、川の向こうを見る。2、3人の姿は見えるが、それ以外に人の気配がない。中朝国境と書いた看板を入れて写真を撮る。が、しっかりと使用料を徴収される。中国においては、ただのものというのは存在しないのか。

川沿いの道を少し歩く。マンションが何棟か建っていて、その前でお兄さんが待っている。後について中に入る。ここが奥さんの実家だったんだ。隣はすぐ豆満江、その向こうはもう朝鮮、国境から100m足らずだ。お邪魔して茉利花茶(ジャスミン茶)をご馳走になる。お茶の葉をカップに入れてお湯を注ぎ、葉が沈んだら飲めるとのこと。葉っぱが浮いてこないようにそっと飲む。今夜はここでお世話になることになっていたらしい。夕食まで時間があるので、Sさんと散歩に出る。川沿いを少し歩く。鉄橋が見える。橋のたもとに兵士が一人いる。レールが光っている、ということは時々国境を越える列車が通るのか。線路沿いに歩き、暗くなってきたので戻る。

タクシー2台に分乗して、街まで夕食に出かける。モンゴル料理の羊の串焼きだ。テーブルにつくと炭火が運ばれてくる。唐辛子や胡椒など5種類ほどのスパイスが皿に盛られている。スパイスを混ぜ合わせて焼いた肉につけて食べる。うーん、スパイスが効いておいしい。何かはわからないが、鳥の肉もある。原型をとどめていてちょっと気になるが、食べる。薄緑色のチーズのようなものもある。「臭い豆腐」だという。豆腐を発酵させたものらしい。一口食べる。アンモニア臭が鼻を突く。「マシッスムニカ?」と聞かれるが、まずい。誰もが普通に食べるものではなく、好きな人だけが食べるものだそうだ。いわゆる「ゲテモノ」の類だ。

ビールを飲み、肉を食べる。一息ついた所で、お兄さんがたばこを取り出す。私も取り出し、奥さんの弟に「イルボンタンベ」と言って勧める。私たちがたばこに火をつける。が、彼は「オモニがいるから」と言って席を立っていく。母親の前でもたばこはいけないらしい。お腹一杯食べてお開きになる。お兄さんと私はサウナへ行く。お湯に浸かってからサウナへ。入口に塩がおいてある。全身に塗ってサウナへ入れば発汗作用が良くなるのだろうか。サウナで汗を流し、垢擦りをして貰う。



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