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中国日記(その1)

2001年9月10日(第3日目)

朝3時に目覚ましが鳴り起床する。外はまだ暗い。着替えて家を出る。表通りまで出てタクシーを拾い、集合場所の東北亜ホテルに向かう。薄暗いホテルのロビーで5人位既に集まっている。午前4時40分頃バスが来た。予定の全員が集合していたので出発する。まだ暗い延吉市内を抜けて、バスは快調に走る。7時頃1回目の小休止をする。15分の停車予定だ。カップラーメンがあるのを見つけふたつ買う。指さして「トゥゲ」と言えばふたつくれる。中国だけど朝鮮語が通じるので便利だ。お湯を入れて貰って食べる。韓国でよく見かける「辛ラーメン」だ。大きなカップで中国サイズになっている。よく見ると上海製だ。他のみんなも買って食べ始めたので出発が少し遅れる。ミネラルウォーターを2本買ってバスに乗る。8時過ぎもう一度小休止する。リヤカーを引いた耕耘機や牛車が通る。なだらかな丘に畑が広がり、中国の農村風景が広がる。9時過ぎにもう一度停車してお昼の弁当を積み込む。さらにバスは走る。長白山まであと35kmくらいと標識が見える。反対側には延吉まで230kmと見える。と言うことは片道約270kmを日帰りするわけだ。中国は広いということは頭では判っているつもりだけれど、実際片道270kmなんてちょっとそこまでの感覚なんだろうと思う。再びバスが停まる。ここで全員車を乗り換えるらしい。私たちも空いていたパジェロに乗る。乗ると言っても荷台に椅子が作ってあり、向かい合わせに4人乗れるようになっているだけだ。運転手の他に8人、ソウルから来たという男性二人連れ、吉林市からの夫婦、遼寧省から来たお姉さん二人連れ、それと私たち。遼寧省のお姉さんはキヤノンの一眼レフを持っている。このお姉さん達も後ろ(荷台)に乗る。改めて出発したのはいいが、荷台で重心が高いので、よく揺れる。道路は整備されているのだが、コンクリート舗装の継ぎ目で突き上げがあるのと、スピードを出してカーブを曲がるのでよく揺すられる。両手・両足で頑張っていないと、隣のお姉さんに抱きついてしまいそうだ。途中で雨が降り出す。30分くらい走って頂上の駐車場に到着。ここから15分くらいで長白山へ。本当の頂上ではないだろうが、天気が良ければ、ここから天池が見える筈だ。しかし今日は雨、一面霧がかかって何も見えない。時々霧が薄くなって天池が見えるのだろうか、どよめきが上がる。結局何も見えず、下山する。

長白山観光案内図 再びパジェロに乗り山をおりる。途中の長白瀑布に寄って、ここで昼食らしい。滝の入口にゲートがあって、入場料10元となっている。私たちはツアーで申し込んだので必要はないが、何かと金が要るのが中国らしい。滝まで細い道が作ってあり、滝の見えるところで写真を撮る。滝の真下まで行けるようだが、私たちは手前で引き返す。途中で温泉卵を売っている。1個2元で6個で10元とのこと。10元払って6個貰う。お弁当を貰って食べようとするが、あいにく雨がまだ降っている。濡れないような所はと見渡すと、川縁に小さな四阿が見える。そこへ行って弁当を広げる。誰が持ってきたか知らないが、キムチが回ってくる。ご飯のパックとおかずのパックがひとつずつ。おかずは三種類入っている。冷めたご飯だけれど、外で食べるご飯はおいしい。キムチもおいしい。さっき買った温泉卵も一つずつ食べる。食べているうちに、朝鮮人参を売りにやってくる。要らないと言ってもしつこくつきまとう。

また少し山を下りる。今度は温泉だ。30元払って温泉に入る。そんなにゆっくり温泉に浸かっていた訳でもないのに、出てきたらみんな既に集まっている。ついつい温泉というとゆっくりしてしまうのだろうか。(日本人は私だけ)再び車に乗り、山を下りる。今度は長白山の入口で停まる。立派なゲートがあり、脇に土産物屋も並んでいる。カメラのシャッターを押してあげながら、私たちも写真を撮る。バスに戻ると、今度は子供の物売りだ。買ってあげたいのだが、きりが無くなりそうなので我慢する。ここからバスに乗り、5時間かけて延吉に戻る。帰りの車内は静かになるかと思いきや、みんなまだ元気だ。あるおばさんがキュウリをむいて仲間に配り始める。(行きも配っていた)隣の列の韓国人が「オイアジュマ」(キュウリおばちゃん)と言って笑わせる。が、当のおばさんは一向に気にせずキュウリをむいている。包丁まで持ってきている。途中で休憩する。農村の何でもないような所にバスが停まる。母牛が子牛を連れて歩いている。アヒルも歩いている。ニワトリも歩いている。ほっぺの赤い子供が遊んでいる。コスモスが風に吹かれて揺れている。太陽が西の空に沈もうとしている。のどかとしか言いようのない風景だ。古ぼけた建物があり、みんな入っていく。鹿を原料にした漢方薬を売っている。レンガ塀の中に鹿がいる。まだ先は長いのでトイレに行く。が、ついに出た!、扉のないトイレだ。かがんでいる先客と目があう。

農村風景 すっかり日が暮れた。やっと延吉まで戻ってきた。バスを降り、歩いて帰る。昨日タクシーで通った道路だ。見覚えのある看板、江沢民が大きな顔をしている。(看板が大きいだけだけど)あちこち工事をしていて、埃っぽい。車も多い。(殆どタクシー)道路を横断しようとしても、信号なんて殆どない。道路の渡り方を教わる。車が直前に来てなければ、車の方が避けてくれるそうだ。最初はちょっと怖いが、確かに車が避けてくれる。途中でケーキ屋を見つける。急に甘い物が食べたくり、ショートケーキ(5元)を食べる。Sさんの家に戻る。子供達が飛んでくる。晩ご飯を食べてシャワーを浴びて床につく。長い一日だった。



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